山口県生涯現役推進センター

文字サイズ
083-928-2385(受付時間 平日8:30〜17:00)
お問い合わせ

新着情報

平成28年度 山口県健康福祉祭 ねんりんピック山口2016美術展 金賞作品紹介

2017年02月21日

【日本画の部】

「とおり雨」(とおりあめ) 村前 純子  山口市

「水蓮の花が、雨の中であざやかに浮き上がって咲いている様(さま)に感動しました。」

《講評》 湿潤な空気感の表出が見事である。降りそそぐ柔らかい光が蓮の花をきわだたせ、そこから放たれる、ほのかな輝きが、蓮花の浄化された姿を浮きあがらせる。にじみやぼかしも効果的で、けして派手さはないが、見あきない深みと味をもつ作品といえよう。

第29回全国健康福祉祭 ねんりんピック長崎2016美術展 金賞受賞

 

 

 

 

「朱夏」(しゅか) 岡﨑 郁子  美祢市

「『昭和38年山口国体』の時、私達の学校は山岳競技の開会式会場となり、夏休みの間、何度もプラカードを持って入場行進の練習があった。照りつける太陽の下に咲いていた赤いカンナ。私の青春の記憶の一コマです。」

《講評》 花びらの深い朱と、みずみずしい緑の色彩対比が生きた作品。マチエール(絵肌)の表現は、実に手が込んでいて、混濁とした背景表現と相まって、画面を象徴的なものへと引き立てている。ただ、残念ながら額が、せっかくの雰囲気を損なっている。額も作品の装いとしての重要な要素であることに留意してほしい。

 

 

 

【洋画の部】

「水清陽光(道の駅吉野ヶ里より)」(すいせいようこう) 井上 博富  下関市

「道の駅吉野ヶ里から展望がすばらしく、少し下った所から棚田が手前にある風景をスケッチしました。」

《講評》 昨年にひきつづき、遠くまで広がる空間の表現に感銘を受けた。個々のものを単純化して描きながらも、しっかりと物の存在感をつかみとっていて見事と思った。

 

 

 

 

「ミヤマキリシマの咲く頃」(みやまきりしまのさくころ) 山本 芳子  岩国市

「突然目の前に現われたピンクの山、感動の一瞬!その時の気持ちが表現できるといいなと思い描きました。」

《講評》 山のヴォリュームと色調が調和しているために、迫力とともに不思議な魅力を感じる。構図もおもしろいと思った。描きあげた後で、何かにぶつかったらしい跡があるのが気になった。

 

 

 

【彫刻の部】

「躍動(ダンス)」(やくどう) 田中 繁滿  防府市

「去年のねんりんピック山口のスポーツダンスを観に行きました。印象に残ったので、抽象的に表現し創作しました。」

《講評》 タイトルが示すように躍動感にあふれた作品である。燃えたぎる心の様子が、この形と色に表されている。発泡スチロールを原材料として火や有機溶剤を使って形造っている。3本脚で立たせて、安定感を持たせながらも、動きやリズム感のある仕上がりとなっている。

第29回全国健康福祉祭 ねんりんピック長崎2016美術展 銅賞受賞

 

 

 

 

 

「観音仏像」(かんのんぶつぞう) 久保 力  下関市

「毎日元気にて趣味の神社やお寺をお参りしております。雨の日には家でごそごそ物造りに楽しんでおります。その作品の一品です。」

《講評》 木彫による観音仏像の佳品である。全体を見失うことなく、細かい部分まで造りあげている。台座は丸太を斜めに切断し、空洞の部分に作品を設置するという気の利いたプレゼンテーションが試みられている。本体のみではなく付属の部分もしっかりと考えこまれた作品となっている。

 

 

 

 

【工芸の部】

「伊羅保釉花入」(いらぼゆうはないれ) 門脇 忠雄  柳井市

「思う様な出来上がりではありませんが、今年も出品することができました。」

《講評》 細長いシャープな形態に伊羅釉が全体にコーティングされ、穏やかな表面処理が古典的な美しさを醸している。

 

 

 

 

 

 

「樹想」(じゅそう) 本光 寿子  山口市

「樹々のように大地に根を張り、囲りの人に目を向けながら力強く生きていけたらと思っています。」

《講評》 色彩りどりの背景に心象的樹木のシルエットが迫るように語り掛ける。テーマと構成が意欲的で躍動感がある作品である。

第29回全国健康福祉祭 ねんりんピック長崎2016美術展 銅賞受賞

 

 

 

 

【書の部】

「玉河新柳」(ぎょくがのしんりゅう) 古谷 美枝  萩市

「毎年掛軸を作り床の間に掛け変えては楽しんでいます。」

《講評》 3行書きの達者な瑞図調の作品である。確かな字形としっかりとした運筆が作品を一層引き立てて線質、字形ともに申し分のない出来ばえである。

 

 

 

 

 

 

「古泉千樫の歌」(こいずみちかしのうた) 吉井 德行  美祢市

「二十五年前、息子の事故の知らせに千葉に向う新幹線の車窓より見た富士の姿に思わず手を合わせた。その神々しさを思い出し書きました。ちなみに息子は軽症でした。」

《講評》 見ばえの良い漢字と仮名のよくまとまった調和体作品であるが、下部の余白のとり方にやや難点があって不要な「白」が眼につくのは残念である。

 

 

 

 

【写真の部】

 

「捕食」(ほしょく) 今田 信夫  萩市

「海岸で見かける鶚ですが、海が荒れた日でも、見事にワカナを捕らえてくる。ワカナは暴れるが爪が食い込んでいるので離す事もなく頭から食べ始め、捨てる部位もなく尾鰭は丸呑み時間をかけて完食。ビックリの1日でした。」

《講評》 望遠レンズでとらえた迫力あるミサゴの写真。自分の体重より重そうな魚を把み運んで来た野生の逞しさをうまく表現している。

 

 

「雪達磨に抱かれて」(ゆきだるまにだかれて) 山本 善隆  周防大島町

「平成27年1月、友達に誘われて広島県三次の雪まつりに行った時の作品です」

《講評》 シンプルな構成の写真だが、巨大な若作りの雪だるまといっしょに写る年配のご婦人とのコントラストがおもしろい。さりげないスナップだが90才とは思えない若々しい感性を感じさせる。

新着情報一覧に戻る