山口県生涯現役推進センター

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ねんりんピック山口2017(山口県健康福祉祭)美術展 金賞作品紹介

2017年06月19日

【日本画の部】

 

「いたちの散歩」(いたちのさんぽ) 湯浅 信子(防府市)

「年を重ねてもきれいな絵がかけますように。」

《講評》 生い茂る野菜や草花の奥でこちらを向くいたちといった各モチーフが、繊細な描写と、丁寧な塗りこみで仕上げられた佳品である。メルヘンチックな雰囲気も醸し出しながら、生きとし生ける者たちへの愛情と優しさにあふれた作品ともいえるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「萌し」(きざし) 村前 純子(山口市)

「冬枯れのじゅず玉がさむさにさらされて、白くなっていました。でも、その下には春を待つ新しい芽が作られているのを、私は知っているのです。」

《講評》 描く対象を的確にとらえ、自らの内でそれらを象徴化して画面の中にその姿を効果的に配置するその技術は、今年も出品作の中では抜きん出ている。ただ、今年度の作品は、もう少しそこに深みがほしかった。手慣れた画面づくりが、いささか表面的なところで終わってしまっていると感じた。力ある作家ゆえに、一言苦言を呈したい。

 

 

 

 

 

 

【洋画の部】

 

「大田植え」(おおたうえ) 用殿 敏明(平生町)

「自然とふれながら描きました。」

《講評》 曇天での田植なのか、水田全体の光の表現とマチエールが絶妙にかみ合い、人物と影の表現が見事だと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なかよし」(なかよし) 中谷 久美子(平生町)

「仲間と楽しんで描いています。」

《講評》 猫と少女の形態をしっかりと捉えている。青と赤の対比も美しく、色の扱いが巧みだと思った。

 

 

 

 

 

【彫刻の部】

「核なき世界」(かくなきせかい) 田中 繁滿(防府市)

「オバマ前米大統領が昨年広島を訪問した際「核なき世界」を掲げました。それから、ヒントを得て作品を制作しました。」

《講評》 さまざまな金属(廃材を含む)を利用し、昨今の世界情勢を危ぶみ、起こしてはならない核戦争が起きてしまった世界を造り出したものであろう。台座は地球に見立てて湾曲させ、その上に無機質な残骸だけがそこに存在し、3つの地球や星が、その無残さを物語っている。小品ながら心に訴える作品となっている。

 

 

 

 

 

「接近の火星をみる」(せっきんのかせいをみる) 半田 幸男(岩国市)

「火星は焔星とも言われ15年か17年ぶりに大接近するそうです。赤く光る星を見て制作を思いつきました。」

《講評》 女性の等身大座像を叙情的に表現されたポリエステル樹脂による作品である。人体の骨格や筋肉の動きをきちんと把握し、存在感のある作品となっている。多少概念的な箇所も残るが、質感の違い等の表現も含めて優秀作である。

 

 

 

 

 

 

 

【工芸の部】

 

「春はあけぼの」(はるはあけぼの) 山根 博子(光市)

「庭に冬のさむさに負けないで咲き、優しい色相を楽しんでください。」

《講評》 はかなげな野の草花が繊細に構成され、侘びたドライフラワーのごとく、それが生々と、しかも深淵な作風をかもしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「花入」(はないれ) 髙崎 忍富(山陽小野田市)

「体力は年々衰えて、粘土を練るのが大変になってきましたが、仲間とのふれ合いを楽しみながら作陶しています。」

《講評》 黒褐色のどこにでもある壺だが、底からの立ち上りや見込みから見るそのロクロさばきは玄人である。装飾性をあえて押えたシンプルな表現に好感を持った。

 

 

 

 

 

【書の部】

 

 

「古泉千樫のうた」(こいずみちかしのうた) 吉井 德行(美祢市)

「習字教室で出会ったお手本に心を惹かれ書いてみました。又、古泉千樫は自分の好きな歌の一人で句も残り是非作品にしたいと思い筆を持 ち書きました。難しい箇所も有り苦労しました。」

《講評》 歯切れのよい線質で行の流れがすばらしい。唯、行間がせまいのが難点。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「山櫻花の下」(やまざくらはなのした) 上野 文子(防府市)

「“カレンダーあちこち医院の印ふえ”近況です。」

《講評》 まとまりはよいが個々の字形と線質が今一歩すっきりしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

【写真の部】

「シンクロ」(シンクロ) 今田 信夫(萩市)

「鶚(ミサゴ)のメスが長時間羽繕いをしてました。その後、足と羽根を後方に伸ばす運動をし始めた。オスは目をつむったままじっとしてましたが目を開けメスと同じ運動を始めた処の恰好が合っている様に見えました。」

《講評》 ミサゴのつがいが枯木に止まっている。望遠レンズでシャープにとらえられた野生のたくましさがよく写し込まれて、これからこの場所で巣作り、子育てがはじまるのを予感させる。二羽のしぐさがちょうどシンクロした時に写された一瞬が美しい。

 

 

 

 

「川舟流し」(かわぶねながし) 吉森 静生(和木町)

「民謡にのせて川を下る催しに出合い、走りながら撮影した心に残る作品です。」

《講評》 今では川舟に乗ってのお嫁入りは、イベントでしか見られなくなったが、初々しく、凛とした花嫁とその脇役たちの役割がぴったりとおさまり、美しい画面となっている。

 

 

 

 

 

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